# Exercise 1：テーマ選定とジョブ・ペインの記述（30 min）

## ゴール

「誰が」「どのような状況で」「何を達成するために」CSV 可視化ダッシュボードを使うのか、自分の言葉で 1 ページに書ききる。

## 終了条件

- ジョブ・ストーリーが 1 文で書けている
- ペインが「機能的」「社会的」「感情的」の 3 分類でそれぞれ 1〜3 個書けている
- 「使いやすい」「便利」のような曖昧語が使われていない

## やること

1. `docs/requirements_template.md` をエディタで開く
2. 自分の業務で実在する場面を 1 つ選び、ジョブとペインを記入する（自社事業でなくても、自分が観察した他部署の場面でも OK）
3. ペインは 3 分類で書く。書きにくいものは ChatGPT に「以下のテーマで機能的／社会的／感情的ペインを 3 つずつ挙げてください」と相談しても OK。ただし出てきた候補を **必ず自分の言葉に書き直す**
4. テキストファイル `output/requirements.md` に保存する

## 補足：なぜ「ジョブ・ペイン」から始めるのか

新規事業や社内ツールの開発で最もよくある失敗は、「機能から考え始める」ことです。「CSV をアップできて、グラフが出て、ダウンロードできて……」という機能リストを並べた時点で、本来解くべき課題と、その課題を抱える人がぼやけます。

ジョブ理論（Jobs to Be Done）は「顧客がプロダクトを **雇って** 何を済ませたいか」を捉えるフレームです。Clayton Christensen が提唱したこの考え方は、機能の足し算ではなく「片付けたい仕事」を起点に置きます。本研修では、ジョブを 1 文で書ききることを最初のハードルにします。

ペインの 3 分類は、機能的ペイン（時間がかかる・ミスが起きる）だけでは不十分だという考え方です。多くの業務ツールは「機能的に解決できているのに使われない」ケースが多く、それは社会的ペイン（説明する手間・周囲との温度差）や感情的ペイン（罪悪感・不安）が無視されているからです。

## つまずいたら

- 「ジョブが書けない」 → 「このツールを使った後、ユーザーは何を **言える** ようになるか」で書いてみる。例：「今月の地域別売上が落ちている拠点を、会議までに 5 分で特定できる」
- 「ペインが浅い」 → 「それで何が困るのか」を 3 回繰り返して掘り下げる。表面の「Excel が重い」から「集計のたびに残業して、家族との時間が減る」まで到達できると合格
- 「曖昧語が混ざる」 → 「使いやすい」を「○分以内に完了する」「○○の手戻りが起きない」に置き換える

## Tips（実務で効かせるコツ）

- ジョブを書く時、主語は **必ず役職や部署名ではなく個人の状況**。「営業企画部が」より「月初の月曜朝に経営会議資料を作る担当者が」のほうが具体的
- ペインの 3 分類で社会的・感情的が出にくい場合は、「これを上司に説明する時、何を言いたくない／何を取り繕いたい」と自問する
- ChatGPT に投げる時は「ペインは『○○が嫌だ』ではなく『○○の時に○○が起きて、○○になってしまう』の形で具体的に」と注文を付けると、抽象論で返ってこなくなる

## 注意

- 業務の本物の顧客名・売上額・契約金額などはここでも入れない。事例を抽象化するか、ダミー化する
- 「○○の業界では一般的に」のような一般論をペインとして書かない。**自分が見たこと** を書く

## 参考リンク

- [Jobs to Be Done — Harvard Business Review（Christensen らの原典に近い解説）](https://hbr.org/2016/09/know-your-customers-jobs-to-be-done)
- [Prompt engineering best practices for ChatGPT — OpenAI Help Center（役割・出力形式の指定）](https://help.openai.com/en/articles/10032626-prompt-engineering-best-practices-for-chatgpt)

## 観察ポイント

ジョブとペインが具体的であるほど、後の Exercise で AI から得られる出力の質が上がります。ここの粒度が研修全体のクオリティを決めます。
